記事一覧

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夢双夜(2014.11.03発行)

タイトル:夢双夜(ゆめふたや)

サイズ:A5・二段組み・全52P
カップル:サガカノ
内容:R18シリアス短編集
備考:なし
価格:500円(イベント頒布時)

表紙:璞久哉様


<詳細>
【本の紹介】海界での十三年の間にカノンが見たサガの夢についての短編集。過去や未来、恐怖や願望などを背景にした、夢と現実が交錯した物語です。それぞれが独立した話ではあるが、連作短編であるともいえる。第五夜以外は全て直接的な性描写があります。

【目次】
第一夜 二つの鎖
第二夜 楽園の在り処
第三夜 心海
第四夜 月を呼ぶ声
第五夜 純白のオリーブ
最終夜 現(うつつ)

【本文サンプル1】
第二夜 楽園の在り処

 兄であるサガが双子座の黄金聖闘士として正式に任命された日、とうに消された存在であったカノンの影はこれまで以上に濃くなった。しかし、カノンは二人で双児宮のこの部屋にいる限り、そんなことは些細な問題なのだと信じていた。
 このころから、二人はそれぞれの立場で生じる埋めようがない心のずれにすでに気が付いており、またそれをうまく言葉にして伝える術を知らず、そんな葛藤を補完するように互いの体に触れるようになった。男性として日々逞しく成長していく肉体の変化に戸惑いと焦りを覚えながら、溢れる性欲を一番近い人間に向けることで一時的な安堵にすり替えていくうちに、二人は徐々に男女のような濃密な夜を過ごすようになっていった。
 このときはまだ、知らなかったのだ。禁忌を犯して手に入れたものにはそれ以上の代償を払うことになるのを。たとえそれに気が付いたところで、彼らには引き返せようもなかった。

「カノン、今日は黄金聖闘士のお披露目で村に行ってくる」
 皺の一つもない真っ白なマントを纏いながらサガは振り返った。
「遅いのか?」
「分からんが、できる限り早く帰ってくる」
 カノンがそれを聞いて頷くと、サガはカノンの頭を引き寄せ口付けた。カノンはもぞ、と動き一旦拒否したが、サガがより深く舌を入れると、甘く呻き、諦めたように背中に手を回した。
 聖衣の金属の感触は硬く、肉体に触れられないだけなのに、心にも触れられないような錯覚に陥り、思わず爪を立てた。
(これではいけない……)カノンは心の片隅で自身に警告する。
 ともに育った仲の良い双子の兄弟。その延長がこの行為だとするならば間違っている気がしていた。現に、カノンはサガに触れられるたびに、独りで過ごす時間が耐えがたくなっている。
男だというのにサガの全てを受け入れ、その行為に痛み以外の感覚さえ知りはじめてしまっている自分に対し、このままで本当にいいのだろうかと思う気持ちは確かにあるにも関わらず、結局は流されていく。気持ちが揺れれば揺れるほど、兄に身を委ねたくなった。
「おとなしく留守番してたら、ご褒美をやるからな」
 サガが耳元で意味深に囁いた。
「……っ」
 内容を理解するより先に、体中の細胞が目を開く。あの痛みを越えると確かにそこにある愉悦……そのときだけは兄を完全に独占できる安堵。そして毎晩のように教え込まれ刻みつけられた快楽の方法を、すでに拒めないどころか少し餌を見せられただけで自ら望んでしまうような体になっていた。

【本文サンプル2】
第三夜 心海

 誰もいない海底神殿に初めて訪れた客人は、兄だった。

「サガ……! どうやってここへ」
 まだ体に馴染みきらない海龍の鱗衣を纏ったカノンの目の前に突然現れたサガは、見たこともない豪華な法衣を着ていた。
「私には造作もないこと」
 彼は静かに答えると、まっすぐに歩いてカノンを通りすぎた。
 その瞬間、靡いた深い青の髪から見知らぬ香りがし、きっと自分があの日以来色々と変わったように、兄も自分がいなくなったことによってどこかが―いや、すべてが変わったのだと実感せざるを得なかった。きっと二人が暮らしたあの場所はもう、無人の宮となっているのだろう。
「迎えにきた。お前を」
 柱の前に立ったサガは、振り向いてカノンをしっかりと見据え、そう告げた。
 その言葉を聞いて驚くと同時に、ずっと空虚なまま張り詰めていた心がしんなりと満たされたのを自覚した。そして、なぜもっと早くにきてくれなかったのかと責めるような気持ちも沸き上がっていた。
「い…いまさら……なにを。この鱗衣が見えないか? 俺はもうお前の知っている俺じゃない」
 そう言って両腕を広げてみせると、鱗衣が一層着心地の悪いものになったように軋んだ。
「っふ、お前の力でどうにか着れているような鱗衣がなんだというのだ。まさかその借り物の鎧で地上の支配を企むなどと言わないだろうな」
 サガに煽られ、頭にかっと血が上ったカノンは柱まで歩くと、小宇宙を燃やし、その柱を思いきり殴った。どしん、と周囲の空気が重く響いたが、柱はびくともしなかった。
「この柱が俺の守護する北大西洋の柱。俺はもう双子座の聖闘士の弟ではない。海龍のカノンだ。いずれ揃うはずの海将軍を率い、ポセイドンの力を利用して地上を侵略する」
「やめておけと言っているのが分からんか」
 俄かに声色を低くしたサガは、柱に突き立てられたままのカノンの左手を掴み、その背を柱に押し付けた。
「こんな柱……私一人の力で簡単に壊せるぞ。お前は私と戦う覚悟があるのか」
 その言葉にカノンが一瞬躊躇すると、サガはカノンの顎を引き、唇を奪った。
 突然の出来事に驚いたカノンは空いた手でサガを押し退けようとしたが、その手も拘束され身動きを封じられる。それでも屈することなく必死に顔を背けると、サガはカノンの耳元に唇を移した。

お知らせ(3/10更新)

◆自家通販は現在行っておりません。
◆次回のイベント参加予定は2019年2月10日(日)開催予定の「GALAXYμ」(大阪)です。
◆2013年に寄稿した『雨のおと、魂のこえ』という短編を全文公開しました。オフラインから見ることができます。

初めての方へ

◆サガカノ小説サイトです。
◆リンクフリーです。
◆R18部分は簡単なパス制です。

WEB拍手

←「いいね」「読んだよ」「生きろ」などの気持ちを気軽に押してください。
☆コメントの返信(10/21)

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

当サイトのQRコード

QR

書いている人

名前:みなみ椿
サークル名:Spiral
地域:東海圏

・ライブラA型
・カプ固定(サガカノ・LCアスデフ)
・字以外は左利き

同人活動は2010年06月から開始。
オフ活動は2012年11月から開始。

昔作った動画

訪問ありがとうございます

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。