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【頒布終了】DELIGHT!(2015.05.31発行)

タイトル:DELIGHT!

サイズ:A5・二段組み・全52P
カップル:LCアスデフ・LoS双子・原作サガカノ(それぞれ個別の話であり、クロスオーバーではない)
内容:3編の双子座本 / 全年齢向け(LoS以外はキス程度の絡みがあります)
備考:LC・原作の物語は、本編後を舞台とする話。LoSの物語は映画に登場していないカノンが登場します。

表紙・漫画:谷地様(田)
delight_hyousisample_mono.jpg
(裏表紙は別のイラストです)

<詳細>
【本の紹介】原作、LC、LoSの双子座の3つの物語です。
1章は、聖戦後に変わった形で再会することになったLCアスデフのお話。
2章は、LoSに登場しなかったカノンと教皇になったサガのお話。過去から映画本編に繋がる流れになっています。
3章は、聖戦後に別々の世界で蘇り、互いの想いを抑えながら頑なに責務を果たそうとする原作のサガカノのお話です。
※2章は濃い兄弟愛ですが、1章と3章はカップルとしての描写があります。

【目次】
Twilight…LCアスデフ
Highlight…LoS双子
Free Talk…設定や背景の補足・語り(2P)
Starlight…原作サガカノ

【本文サンプル1】Highlight より一部抜粋
 自分から終わらせた話だというのに、その言葉を吐いた自分への苛立たしさばかりが募り、サガはずっとカノンに背を向けて寝たふりをしていた。しかし、教皇になりアテナに祝福されながら弟に双子座の聖衣を譲り渡すという夢が完全に潰えたのだと実感した瞬間、心がばりっと音を立てて裂けたような気がし、その痛みに小さく呻いた。
 そのとき。
「……兄さん」
 暗がりからカノンが声を掛けた。
 サガは答えずにいたが、カノンは分かっているかのように話し出す。
「覚えているか? 昔はこんな暗闇さえ怖くて、いつも手を繋いで寝ていた」
 カノンがこちらを向く気配がする。そして、腕に沿って温かな手が伸びてきて、サガの手の甲に重なった。
 自分の手が酷く冷えていたことを、弟であるカノンの手に教えられ、サガは戸惑いを覚える。カノンには知られてしまっているのだろう。自分の脆さを、今味わっている感情のすべてを。
 そう思っているうちに、ゆっくりと、カノンの指がサガの指の間に入っていき、ついにしっかりと握られた。
 気付けばサガも指を曲げ、ぎゅっとその手を握りしめていた。恥ずかしいと思わなかったのは、暗闇のせいなのか心の痛みのせいなのかは分からなかった。ただただ繋がなければ死ぬのではないかというほど強く握りしめた。
 背中には、ぴったりと寄り添うカノンの熱が伝わってくる。
 なぜお前、そんなに温かいんだ。熱でもあるのか?
 そんな言葉さえ、投げることはできなかった。
 温もりに導かれ眠気が訪れたころ、耳元で子守唄のように優しく囁く声が聞こえた。
「忘れないでくれ。
俺が、兄さんと一緒に生まれたこと」

――当たり前だ。

 すぐにそう思ったが、言葉に出したかどうかは覚えていない。


 翌朝、目を覚ますとカノンはいなかった。それは特に珍しくないことであり、そのときも、きっと腹でも減って外に行ったのだろうと思うだけだった。あんな弱い部分を見せてしまったばかりだったから、顔を合わせずに済んだのはかえって都合が良かった。

【本文サンプル2】Starlight より一部抜粋
 双児宮に到着するのは金牛宮のときの倍ほどの時間が掛かった。体はますます重く、頼みの左足も疲労で感覚がなくなってきた。太陽は早くも沈む準備をしはじめている。
 それでもなんとか双児宮に入ると、懐かしい香りがした。白羊宮や金牛宮では感じなかった、確かに昔ここで生きていたのだと感じるような空気がそこにあった。
 柱を一つ一つ越えるたび、つい立ち止まりそうになる。しかし、ここではどうしても止まりたくない。サガがここにいないなら、止まる必要はない。
「キツいな……」
 息を上げ、汗をかきながらも重い足をとにかく少しでも前に進めた。双児宮の回廊はただでさえ長かった記憶があるが、これほどつらいと感じたことはなく、ただただ少しずつ動く足だけを見ていた。
 どれくらいそうしていたのか、時折歩きながら意識が朦朧とする中で、人の足音が聞こえはじめた。しかし、もうカノンには足音の主を確認する余裕も、顔を上げる力さえもなかった。
 ただ、足を動かす。サガのいるところまで。それしか考えていなかった。
 足音はどんどん大きくなっている。まっすぐに走ってくる。
 ものすごく急いでいる様子の足音だった。その音がいよいよ数歩先に迫ったころ、今まで足を進めることだけに集中してきた力を使い、なんとか前を見た。
 カノンが顔を上げると同時に足音はぴたりと止んだ。
「え……っ」
 カノンは思わず掠れた声を漏らす。そこには、法衣姿のサガが一冊の本を手に持って、息を切らしながら立っていた。
 サガだと思った途端、足は完全に止まってしまった。
 何を言うべきだったかも、忘れてしまった。
 ただ、海界でサガを想って過ごした日々だけが溢れ出した。
 理由や体裁は充分に用意してきたはずだった。
 しかし、言葉は一つも口から出てくれなかった。
 会いたくて会いにきてしまったことを隠すために、たくさんの嘘を用意してきたつもりだったのに。
「……サガ、あ、あの……」
 とりあえず何か言うべきだと思い口を開いたが、言葉が出るより先に、サガがカノンを思い切り抱きしめた。ばさりと本が落ちる音がする。呪いに縛られた体中が軋むような抱擁だったが、体の限界がきているせいか、サガの腕と胸に支えられて不思議と安心した。
 戸惑いながらも身を任せていると、足元に落ちている本が目に入った。本が落ちたぞ、と言おうと決めて顔を上げると、サガの体にぐっと力が入り、驚くほど熱い唇で口を塞がれた。

お知らせ(3/10更新)

◆自家通販は現在行っておりません。
◆次回のイベント参加予定は2019年2月10日(日)開催予定の「GALAXYμ」(大阪)です。
◆2013年に寄稿した『雨のおと、魂のこえ』という短編を全文公開しました。オフラインから見ることができます。

初めての方へ

◆サガカノ小説サイトです。
◆リンクフリーです。
◆R18部分は簡単なパス制です。

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書いている人

名前:みなみ椿
サークル名:Spiral
地域:東海圏

・ライブラA型
・カプ固定(サガカノ・LCアスデフ)
・字以外は左利き

同人活動は2010年06月から開始。
オフ活動は2012年11月から開始。

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