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【頒布終了】蒼い衝動(2015.10.25発行)

タイトル:蒼い衝動

サイズ:A5・二段組み・全50P
カップル:サガカノ
内容:R18シリアス
備考:年齢差あり

表紙:三角帽子様(BandConcert)
aoi_hyoushi_mono.jpg


<詳細>
【作品について】16歳になったカノンが12年後の双児宮でサガと再会するR18シリアス小説。
十二宮の戦いが始まるころが舞台です。
まだ幼さの残るカノンと、カノンを失ってから13年教皇として独り生きてきたサガは、再会を通して互いの未知の感情に触れる。

【目次】
プロローグ
星の交わるところ
時の隔たり
手の届く場所に
蒼い衝動
ひとつになりたい
私は、あなたとここにいる
エピローグ

【本文サンプル1】
星の交わるところ

「教皇様!」
 やたら畏まった声に目を開けると、数段下の床に跪く白銀聖闘士の姿が見えた。サガはマスクの下で再び目を閉じる。
「何用だ」
「日本の城戸沙織という娘についての報告です。現在、五人の男を従えてギリシャに向かっております」
「十二宮に足を踏み入れる前にやれ。お前ならば確実にそれができるだろう」
「教皇様から賜った黄金の矢、外すことなどありません」
 矢座の聖衣を纏った白銀聖闘士はそう宣言して走り去った。
権威の象徴といわんばかりに背の高い豪奢な肘掛け椅子に深く座しているサガは、薄く目を開けてその後ろ姿に目を遣る。あの若い聖闘士は、この仮面の人間が正しい命令を下しているのか、本当は何者なのか、疑問に思うことはないのだろうか。
(くだらんな……)
 深く息を吐き、天を仰ぐ。そう。何もかも、どうでもいい。
 愛する者の存在を隠した聖域には、アテナ神の掲げる正義など似合わない。愛する者が生きられなかったこの世界には、恒久の平和などくれてやらぬ。
「逆らう者は、皆殺しだ」
 自らを鼓舞するようにそう言って立ち上がると、テーブルに置かれたグラスを手に取り、真紅の酒を喉に流し込んだ。

 教皇の間の奥には、サガ以外は立ち入ることのできない領域がある。教皇専用の瞑想部屋と称されるその空間が実は、サガの持つ双子座の力により迷宮と化した双児宮に繋がっているということは誰も知らない。サガは一日のほとんどをこの部屋で過ごす。他人との接触を回避し、過去の記憶ばかりを掘り起こし、対象の定まらない憎悪を蓄積させる。双児宮の迷宮は、そうした繰り返しの感情の掃き溜めだった。
 通常、双児宮は無人の宮としてすんなり通れるようになっている。しかし、回廊を歩く者を気分次第で異次元に放り込むのは簡単なことだった。サガにとってそれはもはや退屈しのぎにもならない。他の宮を守護する黄金聖闘士の中に、歯向かう人間がいるくらいのほうが面白いと思っているのに、日本から戻ったアイオリア以外はいまだ誰も動く気配はなかった。
「アイオリア、か……」
 疑心を抱いたアイオロスの弟をすぐに殺さなかった理由を考えると頭が痛くなってくる。太陽の下を歩いていた兄弟の堕ちていく様が見たいだけだと自身に言い聞かせていた。
 こんなときは必ず、頭の中で別の声が聞こえてくる。
 弟であることに、何の罪もないのだと。

【本文サンプル2】
 言葉とは裏腹に、すっかりやつれたサガの様子にカノンが言葉を失っていると、サガが歩み寄って頭を撫でた。
「ああ、分かった。一緒に風呂が入りたいのだな。実に久々だ、遠慮することはない」
 それを聞いたカノンは真っ赤になり、サガの手をはねのけた。
「な、なに言ってんだ! 俺はさっきシャワーを浴びたばかりだ。それに、子供扱いするなって!」
 反発する様子をサガは楽しそうに見ていたが、隙をついて手をカノンの頬に添えて耳元で囁いた。
「いいや、大人だから言ったのだがな。まあいい。もうしばらくおとなしく待っていてくれ」
「……っ」
 カノンの動きが完全に止まったのを確認すると、サガは満足げに微笑みを浮かべながら部屋を出て行った。
 サガがいなくなりしばらくして、ようやく言葉の意味を考えられるようになったカノンは、力が抜けたようにベッドに体を投げ出した。
「一緒に風呂なんか入ってたまるか……」
 海に落ちてから一年、満足な食べ物もなかった上に、ほとんど動かない日々を送った。どれだけ情けない体になってしまったかは自分でも分かっていた。自らの力で聖域の頂点に君臨しているという兄との体格の差を直接目にしてしまったら、二人が双子であるという事実にさえ自信がなくなってくる。
 体を巡る熱が心臓を苦しくさせていることを自覚したカノンは、思わず逃げるように体を捩った。


 サガはなかなか戻ってこなかった。
 相変わらずの長い入浴時間のおかげで、カノンは心臓も気持ちもすっかり落ち着きを取り戻すことができていたが、入浴を終えて部屋に入ってきたサガを見て再び息苦しさに襲われた。
 髪は濡れたまま、上気した素肌に黒いナイトガウンを纏うサガは、胸元がはだけているせいか、今までの法衣姿よりさらに大人びて見え、驚くほどの色気を醸し出していた。
 サガはそんなカノンの様子を気にすることなく、ゆっくりと部屋を回り、蝋燭の明かりをひとつひとつ消していった。入口に最も近い蝋燭以外を全て消し終わると、そのわずかな明かりの中でカノンを見た。
「一緒に寝るか?」
 サガがそう言ってにやりと笑った口元だけが、やけに鮮やかにカノンの脳裏に焼きついた。急に喉の渇きを覚えたカノンはごくりと唾を飲んだ。
「馬鹿にするな、俺はずっと独りで生きてきたんだ。お前こそ、昔の俺と同じだと思うなよ」
(蒼い衝動 より一部抜粋)

お知らせ(3/10更新)

◆自家通販は現在行っておりません。
◆次回のイベント参加予定は2019年2月10日(日)開催予定の「GALAXYμ」(大阪)です。
◆2013年に寄稿した『雨のおと、魂のこえ』という短編を全文公開しました。オフラインから見ることができます。

初めての方へ

◆サガカノ小説サイトです。
◆リンクフリーです。
◆R18部分は簡単なパス制です。

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書いている人

名前:みなみ椿
サークル名:Spiral
地域:東海圏

・ライブラA型
・カプ固定(サガカノ・LCアスデフ)
・字以外は左利き

同人活動は2010年06月から開始。
オフ活動は2012年11月から開始。

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